2005年ニュルブルクリンク レーサー鶴田の思い出

2005年7月ニュルに行ってきました。
今回は、車両ポルシェ996に装着したUFS(アンダーフロアスポイラー)のテストと弊社チューニングカーエスティマの取材がおもなものです。
7月上旬の週末土日は、ニュルとしては久々の一般走行日にあてられました。 というのがその週末はF1コース側でのレース開催日で、北コース(オールドコースとも言う)は、レースが無かったためです。

F1コースではトレーラートラックのレースでした。 これは近くで見てるとものすごい迫力でキャブオーバーの車体でエンジンは、V10プラスターボが殆どですがエンジン、ターボが半分露出状態で、ゴー音とともにストレートを駆け抜けていくのです。 ブレーキにすごい負担がかかるらしく絶えずフロントブレーキに水をそれも大量に噴射してるようで両ホイール(前輪)付近から白煙を吐いてる感じなのです。
こんなのがコーナーでインの奪い合いです。 接触、コースアウト、、、もうなんか凄すぎて表現できません(ヒロシ風に、、)。 コーナーではドリフトしてます。
これがBMタクシーであります。 丁度コースインの図。 左側に単車軍団が同じくコースーインの為並んでるの図。
みんなリッターバイクで全てのライダーはレザースーツの完全装備であります。
日本みたいにドカヘルにスリッパは、そう、即死を意味します。 日本の暴走族のみなさんに走らせたいね。結構頑張ったりして、、。
と、話は本題に入り、この2日間でエスティマのタイムアタック及び取材、そしてゲンロク誌の田中編集長も今回参加されてのポルシェテスト走行及び取材と弊社のテストと土曜の朝からもうスケジュールいっぱいです。
この日は、現地に行ってみるとヨーロッパ(イギリスからも、、)じゅうのモータースポーツファンが集まり大走行会。 2輪4輪の混走に観光バス、そしてBMWリングタクシーとお祭り騒ぎです。 兎に角駐車場の場所確保から始まります。 今回はイギリスのカー雑誌オートカーの副編集長を含10位の人たちがM5とノーブルGT(400PS)の取材で来てまして、名刺交換やその車両に試乗したりと親交を深めたのです。
また、もう1つの大きな企画としてこのニュルブルクリンクサーキットを運営してる会社の専務取締役とのインタビューもあり、まるで息つく暇もありませんでした。
もひとつ、ニュルブルクリンク24HレースではポルシェGT3でご一緒したレーシングドライバーの大井さんもご自分の初のニュルスクールを開かれ彼らも一緒に行動しましたのでちょとした日本人軍団でした。

専務取締役のドクターヴァルター カフィッツさんとのインタビューは、PM1時からで急いでF1コースの方に移動しました。
インタビューでは、サーキットの歴史、現状等を聞かせていただきました。
サーキットの使用料は、1日の金額が鈴鹿や富士の1時間の金額とほとんどかわらない。
このコースを1,200Km走行すると普通の道路を12,000Km走行したのと同じ位、車両の疲労テストとなる。
又、じゃ借りようとすると向こう2年間は予約でいっぱいである。
又、ドイツ国民であればこの道路は公道と同じ扱いになり、自動車保険が適用できる。
問題は11月から翌年の3月位は雪と霧で一般使用不可能になる。
等々、親切にときには冗談をまじえて気さくに答えていただきました。
この件ゲンロク誌田中編集長のインタビューと重複しますが、、。

右の方は、当サーキットの専務さんでドクター ヴァルター カフィッツさんといいます。
気さくな方で終始笑顔を絶やしませんでした。この日はF1コースはレースの為、車両規制していたサーキット隣接のドリントホテル(客室窓はサーキットのメインストレートに面している)正面玄関にわがエスティマを強引に入れ、記念撮影。
礼儀知らずのオイラは、ドクターカフィツさんが居られるコース反対側のピット上にある役員室より連れ出し、”とらせてくれ!”と頼んだらこの図になりました。 言ってみるもんだと恥知らずツルタは、ノーテンキです。
ドクターカフッツ氏は、まだ日本には行ったことはないがとても興味あり、各メーカーの日本人を知っていると、、、。 又、日本から持参した日本酒は大変大好きであると喜んでおられました。
現在は世界中のカーメーカー同士の品評会状態で各メーカーはテストとお披露目(表現が悪いが、、、)の為にここに押し寄せます。

トヨタや日産、ホンダさんは日本にニュルと同じような自前のコースを持っておられますが(これから作られるのも含め)、やはり最後はニュルで他社との比較をするのがもっとも有効であることを理解されてるようです。
毎月のカー雑誌の試作車テスト風景を見ると、道路上にスプレーで色々な字や絵が描いてあります。
ニュルを知っている方は一目でこれがニュルでのカットであることが分りますね。

そして業界内ではポルシェのアレに何秒差に迫ったとか、トヨタのV10の試作車はポルシェのあれを何秒切ったとかいって、そのうわさはいっぺんに世界中に流れるのです。 まるでカーメーカー界の芸能情報発進源状態であります。
今一番気になるサーキットなのです。
しかし、じゃあ冬の間は使用されないのかというとそうでもありません。
インターネットwww.m-tune.tkの中で動画ポルシェ996スノードライブを参照して頂くとわかるのですが、雪の積もったサーキットをポルシェ996カレラが外人さん・・・、それもステファンローザを意識してか、素手で(普通誰も素手ですが)ドリフトしながら走ってるのです。 こうして冬の間もメーカーはテストしてるのです。

ポルシェファン及びオーナーの方でポルシェは冬(雪)でも走れるのか、、?と思ってる方、本日から見方を改めてください。 ポルシェはドイツで生まれた車です。 御存知ない方、ドイツは北海道より緯度は北であり、冬の気温はマイナス30以下にもなるところがありますが、真冬アウトバーンは融雪剤を撒きいつでも何処えでも行けるのです
フェルディナンド、ポルシェ博士は、ヒットラーから指示されVW社と共同であの有名なビートルを生み出しました。 これは空冷でトラクション(前へ行く力、牽引力)の有効なリヤエンジン(駆動輪に接地力を高められる)を開発し、砂漠や湿地、雪の中でも進められる構造や、水冷でないことでトラブルが少ないエンジンを設計したのです。
又、第2次世界大戦の時キュベルヴァーゲンでは4WDを製作してますし、近年では1980年前半において911の4WDを発表し、パリダカにデビューし959で優勝してます。
とまあ雪は得意なのであります。
フィンランドやスエーデンで真冬に開催されている「ポルシェスノードライブスクール」ってのがあり、前述のm−tuneにもそのビデオが掲載されてます。
もちろん純正サイズのスノータイヤもあります。 また、996からルーフの角4箇所にフックがあり、スキーキャリアを取り付けられるのです。

一応、タイムアタックしてるつもりでサンデードライブ、、、。 外が何処か分らないのがご愛嬌。(豊田周辺といってもわからんけえの!)

なの有名なカルーセルコーナー(ヘアピン状)。 左コーナーのバンク付き、ここの路面の色が違いますが、これはここだけ当時のコンクリートをそのまま残してる為、約10m感覚に継ぎ目がありその段差を超えるたびにドタドタと前後にゆれる。 エスティマは車高が低かった為、リヤスカートをこすってしまった。24Hレースの時、参加したDTMマシンは、ここを外側のフラット面を走った。 おなかをこする為、、。 これがポルシェではニュル用に車高だか仕様となるのです。

わがカブリオレ996のイエローバードであります。 まさに単車をパスしようとしてるのか、パスされたのか覚えてませんの図。
確立でいくと抜かれてる方が多かった。 これを笑って見てる方、経験すると怖いですよ。 パスした単車が目の前をリヤタイヤをスライド(ドリフトとは言わない)させながらコーナーに入っていくのです。
幸い、今回は自分の前では転倒者はいませんでしたが、ハングオンのひざを路面にこすりながらまるでモトGPを実写で見てるの図です。
これが40、50才くらいのおじさん、そしておばさんもいるのですから、、、。
あのポルシェ936で1977年ルマン優勝したユルゲン、バース氏(今回も日本ルマンクラッシクにおなかをつきだして参加されましたが)もある席でご一緒し、若かりしころは自分もバイクでドイツからルマンまですっ飛ばして5時間かからなかったなあと、、。約1,000kmですよ。
930ターボのときは4時間くらいだったと、、、。 でもこれドイツでは普通ですって、、。
ということで土曜の早朝から気合を入れて走行開始です。
8:30分のコースオープンから、、、。 さすがに朝一番は車両も少なく取材もスムースに消化、エスティマの方は無事終了。 この車両は日本からイギリス経由で輸出したもので、イギリスからドーバー海峡を渡り自走してきたものです。
エスティマといえどもNOsを併用し、NAチューンで300PSです(ノーマルはV6.3Lで実測190PS)。 へたなポルシェを追いまわしました。
駐車場では大変な人気物となり、リヤのハッチを開けてNOsのボンベ4連装に驚いたり、笑ったりとギャラリーは引っ切り無しに集まりました。 こいつは鈴鹿でもプロドライバーの試乗で2分40秒前半で走りますので、このタイムは、964、993カレラの素人さんではぶち抜いちゃうのです。 とても乗りやすくニュルでもタイヤ圧の調整のみでワンボッスとは思えない軽快な走りをしました。 オートカーも取材してくれました。
そんでもって、ポルシェの方ですがこれもイギリスの友人が持ってきてくれた右ハンドルの996カブリオレ、それに持参したUFSを取り付けて、そして協賛していただいたヨコハマアドバンスポーツタイヤを装着して走行テスト及びゲンロク誌取材でした。
ゲンロク誌田中編集長にも試乗していただき、剛性感の少ないカブレオレがUFSを装着したことでコーナーの優劣を体感していたきました。 本当にうそみたいにタイヤが吸い付く感じでコーナー進入、脱出するんですよ、、、。
外すとそれまでのカチとした剛性感が少なくなり、本来のフラフラしたポルシェ独特のコーナリングに戻るのです。 リヤのスライドも装着時はとてもコントラブルで改めて効果を再確認しました(自己満足か、、、)。 空力の威力を、、、、。 発案したメックアイの加藤氏に脱帽。  ボディ上部でこの効果を期待するとフロントリップとリヤウイングが必要です。 対費用効果は抜群であります。
21,000円とかたや40万円以上(塗装すると、、、)。 しっつこいですが本当にすごいじゃけーの!と広島弁が思わず出ますです。

そして土曜日はあっという間に夕方になる目の回る忙しさでした。
今日は、土日の連休がサーキット開放とあってたくさんの2輪、4輪が来場されました。
モーターサイクルは、ヨーロッパでは、とても盛んでリッターバイクが数百台、その辺にたむろっているのです。 そしておもむろにサーキットに挑んでいくのです。
もう1つのニュルサーキットのコース入り口付近、向こうの小屋みたいなのがゲート口でその左側からコースに入っていくのです。
ここがこのコースの一番低い標高です。私の友人はこのすぐそばにできたホテルの1室を買いました、、、。
この手前に道路をはさんで有名なカフェがあり、ライダーがたむろしてます。
自分達が走ってる横をステップあたりから火花を出しながら、、、ハングオン状態で、、、。
自分の若かりしころはオイラも単車小僧でしたから気分を良く分ります。 なにせ大藪治彦氏の"汚れた英雄"は10回以上呼んでますから、、、、。 単車の話は又したいですが、シグマ時代にあるところのメーカーからカワサキZ2ベースのキュブターボを開発したくらいです。 この話をすると又興奮して、、、。
この土日で2人のライダーが命を落としました。 警察は実況検分で調査する約30分くらいコースを閉鎖しましたが、そのあとすぐにコース再開です。
皆さん何事も無かったようにキチガイみたいにすっ飛ばしていくのです。

コスーインの場所はもう一箇所あります。 コース中ほどのところですが標高の一番低いところで2輪のみコースインできます。 そしてその周辺にはコースサイドにホテルや有名なカフェがあって第2ピットエリアという感じです。
日本のハイエースみたいなバンが20台以上後ろのゲートを開けて並んでましてその中に交換用のタイヤ、チェンジャーなどの工具、スペアパーツがぎっしりです。 ここでタイヤ交換するまで走りこむのです。 筑波サーキット状態です。

4輪の方は日本人も何人かいてBMWドライビングスクールを開催されてました。
又、ここはBMWのホームコースなので、あの有名なBMWリング(リンク読みか)タクシーとステーカーを両ドア側面に貼った車両があります。 M5です。 新型の、、、。
左側の紳士(おじさん)は、日本のジャーナリスなら一度はこの方の同乗でニュルのコースを教えてもらっているドイツ在住の辻さんです。
オイラの右は言わずと知れたゲンロク編集長田中氏で、今回はポルシェ三昧(かなりPS2で練習したそうです、、、)。
ドライバーを含め4名乗車で自分のエスティマやポルシェで一生懸命走ってるコーナーの外側や内側をすぱっと抜き去るのです。 時にはドリフトしながら、、、。
チョッと無理だったり、後ろから来るのを自分がバックミラーで確認しラインを開けてあげるとドリフトしながら片手で挨拶しながら、、、。
まあ毎日やってんだからあれで当たりまえじゃとひがみながら、オレもドリフト練習していくけーの!とつい興奮するオイラでした。
この件オマケがありましてこのドライバーは、夫婦でやっておられましてその女性というのがチョッと前までフォーミュラーに乗っておったつわもの(あとで聞いてわかりました)でパツキン(表現が悪い)の年は20代後半ロングヘアーでこれまた美人であります。
これに乗るには予約いっぱいで2ヶ月先だそうです。

てなわけで2日目も無事終了し、自分達はとても疲れましたのでPM3:00ころにはホテルに引き上げました。 今ではドイツに行くと楽しみなのはやはり食事であります。
これがドイツでのヴァイツェンビヤです。 ガラスコップの高さは30cmくらいある大きな物です。
これがヴァイツェンビヤの特徴ある飲み方です。 ドイツ人の若者はあまり飲まないそうです。
自分みたいなおじさんの飲み物になったそうです、、、。 これがたまりません、、、。
日本でもノンベイさんは、まずビールですよね!
自分は、ある時からドイツ人に教わったヴァイツェンビヤが大好きになりました。 こちらに来るとこれしか飲みません。 日本でもちらほら売り出されてますが、、、。
そしてドイツ料理は日本人に合わずまずいとよく言いますがそんなことは無いです。 ジャガイモと肉しかないように言われますが地方よっては日本人に合うものもあります。

朝食はさらに大好きで、フランスのパンよりドイツのパンの方が上手いと思うのは自分だけでしょうか、、、。
ハムとバターを挟んだサンドイッチと、そして半熟たまご(この苦い思いでは次回報告します)でおなかいっぱいになります。 しあわせ、、、、。
日本では、意地でも朝食はごはんとみそスープ(ようは汁でんな)です。 どんな国内のホテルに泊まってもバイキングで両方あれば、、、迷わず銀シャリです。
しかし、ドイツに行くとこの朝のパンはどんな小さなホテルでも本当に日本で銀シャリを食ってるくらいうまいと思います。 まあどうでいいことですが、、、。

そんな感じでドイツは行って近頃はあまり海外に来てる感じがしないのはこのパンとヴァイツェンがあるからだと思っている今日この頃です。


平成17年12月16日
鶴 田 昭 臣