"なぜポルシェなの?" "それは意地です。"

2004年も早いもので、もう3月上旬を過ぎてしまいました!
弊社のような世の中の景気に左右される商売は、花の2.8(ニッパチ)と言いまして、1年中で一番売上の上がらない月なのですが何とか乗り越えました。今年も…。
世の中、牛や鳥の問題で不景気に追い討ちをかける様な問題が次から次へと発生しており、もっと深刻な状況になっています。本当に情けない事ばかりです。

話は変わって、皆さん日本に現在何台の歴代ポルシェがナンバー登録されているかご存知でしょうか?
1960年代から延べ登録台数は、38000台あります(2002年)。これを多いと思うか、少ないと思うか…。
我々ポルシェを商売として扱っている者としては、決して多くはありません。ましてや、弊社のように1989年よりの964シリーズ以降のオーナーを対象としているのです。
20000台も無いような数少ないマーケットで、現在は全国で約500店余りポルシェショップが在ると仮定(ちょっと多く見積もったかもしれませんが…)して、20000台を500店がアタックすると1店あたり40人のお客様となります。かなり、暴力的な計算ですが…。
ショップの皆さん、この数値を見られて何を思われますか?(大きなお世話ですみません)"じぁ、アイメックは何故ポルシェをやっているんだよ!?"と質問が来ると思いました(これも大きなお世話)ので真面目にお答えします。
きっかけは10数年前に、ある雑誌の取材です。
その当時、他のショップさんがチューニングされたポルシェを、お前なら性能を超えられるかな…。要は意地であります。
結局、谷田部の最高速は数年間誰にも破られませんでした。それも低予算ファインチューニングで…。そして一度も壊れないで…。
他のショップ様を批判するつもりはありませんし、自画自賛するつもりもありません。唯、お客様の好みに合わせ、予算内で満足していただける内容を作れるかと思います。しかし、お客様はどんどんエスカレートされ、次々とレベルアップを要求されます。この辺りは、レースカーのエンジニアとドライバーの対話に似ている部分があります。ドライバーは、もっとパワーを、もっとステアリングレスポンスを上げよ!と要求してきます。エンジニアとしては決められたルールと予算、そして限られた時間の中でドライバーの要求を満たしながら、セフティーの事も考えながら折中案を出していくのです。
チューニングの世界も同じです。
10人のお客様がいて、10台の同じ車両があって、それらに同じパーツと同じセッティングでは何人かのお客様は不満です。
そのうち、それを聞きつけた他の満足されていた方も、"じぁオレのも…"等きりがありません。
ここからが自分の大事な役目と思っているのですが、誰も壊そうと思ってチューニングしているのではありませんが、お客様の要求がエスカレートしてくると自分の限界、そして車両の限界を超えるところがあります。それを、超えない為の経験と勇気が要るのです。
壊れない車両、それを操るのも人間です。
ですから、自分はお客様自身もチューニングさせて頂きます。
何だか哲学論みたいになりましたが、日本車のチューニングも扱っておりまして、アイメックはお客様に、今は日本車だけど…いつかはクラウン(これは死語か!?)ではなく、いつかはポルシェと大きな目標、そしてその夢は提供しています。
やはり、身近にポルシェがあれば自然に"何だかオレにもポルシェが手に入りそうだな…"と思って欲しいのです。
色んな車に乗るということは、素晴らしいことです。
6年ローンで思い切って中古ポルシェを買えば、今まで無駄遣いしていた自分に目標ができて、生活を含め人生が変わってきます。
そうです!私は宣教師なのです。
ちょっと興奮してしまいましたが…。
"なぜポルシェなの?""それは意地です。"

全く正しい解答をしていません。
ポルシェを語ると何故か熱くなり、興奮してこうなります…。

今日は、このくらいにしておきましょう。

平成16年3月12日 アイメック
鶴田昭臣